中年もっくんの投資と闘病の話

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腎臓病の発覚から透析導入までの話 ~障害者手帳・年金・医療費助成制度~

こんにちは、中年もっくんです。

 

今回は血液透析導入前の話を書こうと思います。保存期の苦労話です。

 

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病気が発覚したの巻

今から11年前、平成20年1月、それは健康診断の時でした。胸部レントゲンの結果説明の時に担当医から「横隔膜が上がっとるなぁー」と言われました。「エコー撮ってみるわ」ということで、別室でエコー検査。その後「多数の嚢胞があるので専門の病院で診てもらうように」と紹介状を受け取りました。 

近所の大学病院の肝臓内科を受診。CT検査を実施。その後に担当医から「肝臓に嚢胞が多数ありますが、今のところ肝機能に異常はありません。それよりも腎臓にも多数の嚢胞があります。多発性嚢胞腎といい、今後は腎機能の低下が予想されるので、これからは腎臓内科を受診してください」と言われました。

改めて腎臓内科を予約しました。それから平成28年の透析導入まで、この大学病院の腎臓内科にお世話になることになりました。ちなみに、この頃の血清クレアチニンは1.3mg/dlでした。

なお、多発性嚢胞腎の進行を遅らせる治療として、バゾプレッシンV2受容体拮抗薬であるトルバプタン(総称名:サムスカ )が2014年3月に保険適用になりました。近い将来は、多発性嚢胞腎でも血液透析に至らずに済む時代がくるかもしれません。

 

保存期初期の巻

多発性嚢胞腎と診断されて、まず最初に禁煙に取り組みました。さらに塩分とタンパク質の制限。血圧が高いと腎臓に負担がかかるので、血圧を下げるために塩分を制限します。タンパク質を摂取し、それが体内で代謝されると老廃物が残ります。この老廃物をろ過して体の外に出しているのが腎臓です。タンパク質の過剰摂取は腎臓の負担が大きくなるので、タンパク質を控えて腎臓の負担を軽くする必要があります。

多発性嚢胞腎の専門書によると、飲水が症状の進行を遅らせる効果があるという事なので、飲水を心がけました。オメガ3系のオイルも良いみたいなので、サラダにはたっぷりの亜麻仁油をかけました。あと、カフェインは控えた方がよいと書かれてあったので、コーヒーや紅茶緑茶は控えました。

通院は3カ月に1度。事前に尿と血液検査を行い、診察時に検査結果の説明を受けました。毎回、血圧測定後に「減塩とタンパク質摂取には気を付けてください」と言われるだけで、診察は5分もかかりません。大きな病院はどこもそうですが、予約時間に病院に行っても、診察まで1時間、診察5分、会計待ち1時間、といった感じで、待ち時間ばかりです。この頃の処方は、血圧を下げるためのミカルディス錠のみです。

主治医の指示通り、食事には気を使いましたが、これといった自覚症状もなく、仕事は今まで通り続けていました。会社や同僚にも話していませんでした。中年もっくんはエンジニアなので基本的にデスクワークが多いです。ただ、国内外の出張が多く、残業もあり、まあまあ忙しく過ごしていました。

平成23年10月の血液検査にて血清クレアチニン値が2.0mg/dlを超えました。このころから少し怠さを感じるようになり、尿酸値が7.0mg/dlを超えました。

 

身体障がい者手帳4級の認定

平成26年2月の血液検査にて血清クレアチニン値が3.0mg/dlを超えました。常時倦怠感があり、このころから残業を控えるようになりました。

身体障がい者手帳4級の認定基準は、血清クレアチニン濃度が3.0mg/dl以上、5.0mg/dl未満となっています。診察時に主治医に身体障がい者手帳4級の申請について相談しました。主治医は少し調べて「申請できますね」とのこと。即答じゃなかったので、クレアチニン濃度が3.0mg/dl程度じゃ障害者にあたらない、と思っていたのかもしれません。申請にあたっては、主治医から教えてくれる場合とそうではない場合があります。後者の場合、自分に知識が無いと申請出来ず、障がい者手帳を手に入れられません。世の中、知らないと損するケースが多いです。

2週間後に診断書を入手しました。もちろん有料です。5月の後半に診断書、顔写真、印鑑を持って市役所に申請に行きました。窓口の担当者の説明を受けながら書類を作成。10分ぐらいで手続き完了。

7月初めに市役所から「申請に通りました、手帳を取りに来てください」と連絡がありました。市役所に行って手続きを済ませました。この時に担当者から色々な福祉制度の説明を受けました。自分の住んでいる市では市営バスが運営されていて、障がい者は無料で市バスに乗車できます。いろんな制度(特典?)があるんですが、このバス乗車証が一番ありがたかったです。

 

障害厚生年金3級の認定

障害厚生年金3級の認定基準は、「内因性クレアチニンクリアランスまたは血清クレアチンの検査成績が軽度、中等度または高度の異常を示し、かつ、一般状態区分表のウまたはイに該当するもの」となっています。血清クレアチニンが3.0mg/dlを超えるとこの「軽度異常」に該当するので、3級の申請を行いました。身体障がい者手帳の申請より面倒ですが、日ごろから仕事でいろんな書類を作成しているので、大きな問題は無かったです。

まずは管轄の年金事務所に行って、受給資格があることが確認できました。窓口担当者には、「障害年金は認定が厳しいので通るかわかりませんよ」と言われましたが、最終的には問題無く認定されました。

年金事務所で申請に必要な書類について教えてもらいました。主治医の診断書が必要なので次の診察日に申し込みました。あと、自分で病歴・就労状況等申立書というのを作成する必要がありました。これまでの資料は全て保管していたので、この申立書も問題無く作成できました。一般的には、初診日が不明確で、これで審査に落ちるケースもあるようですが、自分の場合は、健康診断の結果があったので、問題無かったです。

書類が揃ったところで、5月後半に再度年金事務所に行き、窓口で提出しました。書類の不備もなく、無事に申請が完了しました。8月後半に年金証書が届きました。年額で90万円ちょっと。ありがたや。 

 

難病法に基づく医療費助成制度

平成27年1月1日付けで「難病の患者に対する医療等に関する法律」が施行され、法律に基づく医療費助成制度が始まりました。これによって、多発性嚢胞腎も指定難病となり、医療費の助成が受けられるようになりました。本疾病による医療費は最大で月に2万円で済みます。この後、シャント手術で3度、透析導入で1度入院しますが、2万円で済みました。申請手続きは、臨床調査個人票(診断書)を主治医に記入してもらい、申請書、健康保険証(写し)、市町村民税課税証明書(市町村民税の税額決定・納税通知書の写しでOKの場合あり)、世帯全員の住民票を保健所に提出するだけでした。後日、受給者証が届きました。

 

保存期末期の巻

平成27年8月に尿酸値の上昇のためウリアデック錠の服用が始まりました。次いで10月から血中リン濃度増加のため沈降炭酸カルシウムの服用が、11月からビタミンD製剤の服用が始まりました。また、腎性貧血のため、持続型赤血球造血刺激因子製剤ネスプ注射が始まりました。これが結構痛い。

ずいぶん嚢胞が大きくなり、お腹は妊婦さんのようにパンパンです。膨満感による食欲不振があり、体重が落ちてきました。貧血もあり、かなりしんどい状態となり、運動は片道20分の自転車通勤ぐらいで、休日はほとんどゴロ寝でした。クレアチニンが5.0mg/dl を超えたころ、シャント手術のために、腎臓内科の主治医から泌尿器外科の担当医を紹介してもらいました。この手術の担当医は、他の機関で数多くシャント手術を行っているらしく、安心して手術に挑みました。その手術ですが、いろいろありました・・・。これは次回の記事で紹介しようと思います。

 

保存期の食事について

既に書いたように、保存期は

低塩分
低タンパク質

この二つが重要です。

まずは主食。朝はパン派なので、近くのスーパーで無塩パンを買っていました。これはパサパサで味が無い。おいしいものではないですが仕方ないですね。次はご飯。ご飯は低タンパクご飯を食べました。機能食品となると少々値が張るので夕食のみです。味は普通のパックご飯と大きく違わないですが、少し柔らかいかな。

 

↓ 低タンパクご飯 小盛150g 中盛り80g 大盛200g があります。

次は副食です。 薄味で肉類や魚等は控えめになります。そうするとエネルギー不足になり、体内に蓄えられていたタンパク質が消費されエネルギー不足を補います。その時、筋肉などがエネルギー源として使用されるため、その代謝産物(老廃物)が血液中に溜り、腎臓に過剰な負担がかかることになります。なので、カロリー不足を補うため、よくゼリーを食べていました。サラダにも亜麻仁油をドバドバかけて食べていました。健康な人は、タンパク質をたくさん摂って、糖分は控えめ。保存期の人は逆で、タンパク質を控え、エネルギー補給のために、高カロリーの糖分や良質の油をたくさん摂るように指導されました。ただし、病気の種類によって指導が異なると思いますので、きちんと主治医の指示に従ってください。

 

次回は、透析導入時の話です。シャント手術から導入入院の話を書く予定です。

 

 ではでは。

 

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