中年もっくんの投資と闘病の話

病気に負けず勤勉・倹約・投資をモットーに豊かな生活を目指すブログ

血液透析の導入まであと少し。シャント手術で入院した話

こんにちは、中年もっくんです。

 

前回は腎臓病の発覚からシャント手術の前までの話でした。今回は、透析導入のためにシャント手術で入院した時の話です。初めての手術、きんちょーしました。

 

 

会社への報告

手術日程が決まるころ、会社の上司や同僚、あと人事部に病気を打ち明けました。数ヶ月後には血液透析が始まり、業務に制限がかかる(週に三度は定時退社になる)、海外出張に対応できなる、等々。自分は恵まれています。透析導入後も同じ部署で同じ仕事を続けさせてもらっています。収入も以前と変わりなく同額をいただいています。逆に、就業時間が短くなった分、時給で考えたら給与アップになります。ありがたいことです。

 

シャント手術とは

血液透析を行うには1分間に200ml以上の血液を体外に取り出して、ダイアライザー(血液浄化のために拡散と限外濾過が行われる装置)に循環させる必要があります。これだけの血液量を確保するための血管を作成する手術が必要です。これを内シャント設置術といいます。手首近くの腕の動脈と静脈を手術でつなぎ合わせます。これによって動脈に流れている多量の血液が静脈に流れます。多量の血液が流れている静脈は、日に日に成長していき、どんどん太くなっていきます。この成長して太くなった静脈に穿刺して(注射針を刺して)、血液を体外に取り出します。

 

シャント手術入院

平成28年1月末にはクレアチニンが5.5mg/dl を超えました。そろそろシャント手術の準備を始める時期です。腎臓内科の主治医から泌尿器外科の担当医を紹介してもらいました。この手術の担当医は、他の機関で数多くシャント手術を行っているらしく、安心して手術に挑みました。平成28年6月初めの手術になりました。一泊二日の予定です。手術前には、あらかじめ、血液検査、尿検査、心電図など、いろんな検査が行われました。

入院当日、自宅で軽い昼食を済ませて午後から入院です。入院手続きを済ませた後に病室に入りました。しばらく病室で待機です。待機中に、何度か看護師さんが病室に来て、血圧測定や血中酸素濃度測定とか、いくつかの検査が行われました。その後、手術の担当医が来て腕の血管の確認。マジックで術前マーキングが行われ、このへんで切って、ここの動脈と静脈を繋ぎます。という感じで、簡単な説明を受けました。

 

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腕全体をキレイキレイで洗って、手術着に着替えて、点滴開始。スタンバイOK。いよいよ始まるよー。

 

いよいよ手術開始

中年もっくんは手術室に入るのはこの時が初めてでした。 入口で足に名札を付けられ、車椅子に移動。看護師さんに車椅子を押され、手術室に入っていきます。中は結構広い。その一角の部屋に入っていきます。部屋の中心に手術台があり、それに横たわります。心電図と電気メスの電極を胸に取り付けて、担当医を待ちます。数分後に担当医が登場。白衣を着て、こちらに向かってきます。「いよいよ始まるのかぁ~、緊張する~」。担当医から「じゃあ始めますね」と言われ、心の中では「やるの、ほんとにやるの、やめられないの」と思いながら素直に「はい」とうなずく。手術する側の左腕が全体的に丁寧にイソジン(みたいな液体)で消毒されます。その後は布をかぶせて、麻酔注射です。結構痛いです。「じゃあ、始めます」と担当医。担当医の他、手術助手が一人、看護師が二人、あと男性が一人、麻酔医か技師さんですかね。

「痛くないですか?」と担当医。もう切ってるみたい。「だ、大丈夫です」と小声で返答。なんか焦げ臭い。電気メスで切ってるから?なんかどんどん進んでいきます。数分後「痛っ!」思わず声を出してしまいました。神経にあたったようです。「痛かったら言ってくださいね」と担当医。でも声を出すのは恥ずかしい。多少痛くても耐えます。そして痛みに耐えていると、気が遠くなりました。吐き気もあり。血圧がかなり下がってきたようです。何かの薬が点滴に追加されます。もうろうとしてて、このあたりからよく覚えていません。しばらくして「終わりましたよ、血流確認しますね」と担当医。聴診器でシャント音確認。「大丈夫ですね、じゃあ終わりにします。縫っていきますね」。やっと終わった~。これで痛みから解放される。血圧が下がり、意識がはっきりしていないので、車椅子で病室に戻りました。手術室を出たら、家族(妻と息子)が待っていてくれました。家族の顔を見ると安心します。

 

手術後、そして。

病室に戻ると、夕飯が置いてありました。でも食欲はまったく無い。ベッドで休んでいると、看護師さんが来て、聴診器でシャント音の確認。シャントが上手く出来ていると、ゴーゴーという音がします。音が小さいみたい。数分後、担当医の登場。聴診器でシャント音を確認。「弱いね」。血管をモミモミ。「ヘパリン入れて」。点滴にヘパリン(血液をサラサラにする薬)が投入される。今晩はこれで様子を見ることに。翌朝に担当医が再確認。やっぱり音が弱い。どうやら手術は失敗だったみたい・・・。しばらくしてエコーの技師さんが病室に来ました。エコーで確認しながら、血管のスケッチ。再手術は、小指側の尺骨動脈につないでシャントを作るそう。二週間後に手術の予約を入れ、清算して退院となりました。妻と顔を見合わせて「・・・。」ちくしょぉ~。一週間後、抜糸のために病院に行きました。診察中に再度エコーで血管の確認。「ちょっと動脈が細いね、こんどはこのあたりで血管をつなぎます」とのこと。今度は頼むぜぇ、先生よ」とは心の声。「よろしくお願いします。」と言って、診察室を出ました。

 

再手術と再々手術

さらに一週間後に再度入院。同じ手順で手術室へ。手術開始。やっぱり、痛い、辛い。およそ一時間後に手術終了。今回も意識もうろうと部屋に帰りました。そしてシャント音確認。そして今度は~「ガ~ん」またシャント音が小さい。また失敗。縫合前に確認して「大丈夫」って言ってたのに。再々手術は四週間後です。抜糸のために病院へ。担当医から「傷だらけにして申し訳ない」との謝りの言葉。「いや、男性だから傷はいい、この際それはいい。それよりも良い位置でシャント作れないと、こらから長い長い透析生活に支障があるやろうが」というのは心の叫び。「今度は大丈夫ですよね」と小声で聞くのが精一杯でした。

さて、再々手術の日、三度目の正直となるか。今回は肘の少し下流にシャント作ることになりました。いつもの手順で手術スタート。もう慣れましたよ、だって三回目ですから、ハイ。痛みに耐えながら、手術終了。病室に戻り、担当医がシャント音確認。さて、結果??

「いい音してますよ」やった~。やっと成功! 三度目の正直だ~。担当医も安堵の様子。この後、ゆっくり晩御飯をいただきました。

 

手術費用

二カ月に渡り三度の手術を受けました。さて、トータルの費用はいくらか?スバリ、4万円強でした。中年もっくんが患っている病気は難病指定されているので難病法に基づく医療費助成制度が使えて、通院、入院、処方薬、全て合わせて患者負担はひと月に2万円です(給与収入により異なります)。ちなみに二度目の手術は、一度目と同じ月だったので、数百円しか請求されませんでした。この手厚い保護制度には感謝です。

 

次回は、いよいよ透析スタート、透析導入入院の話です。

ではまた。 

 

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