中年もっくんの投資と闘病の話

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透析患者の痒みの話 原因と対策

こんにちは、中年もっくんです。

 

透析患者さんは痒みに悩まされている人は多いと思います。自分も透析導入前は痒みに難儀していました。毒素がたまっていたんでしょうね。今はオンラインHDF導入で痒みもずいぶんマシになりました。今回は透析患者の痒みについて記事にしたいと思います。とは言っても、自分は医療関係者ではないので、痒みに悩んでいる方は主治医に相談してくださいね。

 

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透析患者の痒みの現状

透析患者の日常生活で最も悩まされる問題のひとつが痒みです。透析患者の7~8割は痒みを訴えているそうです。また、その中の半数ぐらいは中程度以上の痒み(かなりかく、かき続ける状態)を訴えているそうです。痒みの強い患者では透析治療に対する満足感が低く、高度の睡眠障害も報告されています。国際的な調査では、痒みの程度と生存率が関連していることが明らかになっています。痒みといってもバカにできません。

 

痒みの原因

痒みの原因は腎不全に由来するものと皮膚に由来するものがあります。

 

腎不全由来の原因

慢性腎不全では、副甲状腺からホルモン(PTH)が過剰に分泌され、骨から血液中にカルシウムが流出し、血液中のカルシウム濃度を必要以上に上昇させてしまう病気(二次性副甲状腺機能亢進症)を発症します。また、尿からリンを排泄することもできません。血液中のカルシウムやリン濃度が上がりすぎると、皮膚組織内にリン酸カルシウムの微細な結晶が沈着します。これが痒みを引き起こす原因のひとつだと考えられています。 また、通常透析で十分に取り除けないβ2-マイクログロブリンという物質があり、骨や関節だけでなく、皮膚組織にも沈着します。これも痒みを誘発する原因であると考えられています。

 

皮膚由来の原因

皮膚表面の角質層はバリアの役目を果たしますが、透析を始めると汗腺が萎縮して汗が出にくくなるため、角質層内の水分が減少し、皮膚が乾燥して外からの刺激に敏感になり、痒みが起こりやすくなります。さらに透析患者は皮膚が薄く、皮膚表面が アルカリ性に傾いているため、皮膚を守る力が低下しています。これらにより、様々な皮膚病が引き起こされます。

 

痒みの対策

リン酸カルシウムの沈着を防ぐために、血中リン濃度のコントロールが必要です。透析患者は定期的に血液検査を実施していて、その結果により適切な薬が処方されていると思います。もちろん、薬に頼らず、食事によるリン制限も大切です。また、毒素をしっかり抜くために、長時間透析も有効です。さらに、β2-マイクログロブリン除去のためにはオンラインHDFが有効であるといわれています。

 

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皮膚の乾燥による症状の場合は、皮膚保湿剤ウレパールクリーム(尿素製剤)やヒルドイドローション (ヘパリン類似物質含有軟膏)などの保湿剤が用いられます。皮脂が欠乏している場合には、白色ワセリンが用いられます。これらの塗り薬により、皮膚角層に水分や油 分を補うことで潤いを回復させることが期待でき、さらに、角質層機能が保持されることにより、痒みが緩和されます。

透析患者は、アレルギーの原因物質であるヒスタミンという物質に対して過敏になっています。この場合には、抗ヒスタミン剤の塗り薬が有効です。抗ヒスタミン剤には塗り薬のほかに飲み薬や注射薬などがありますが、中には眠くなる副作用が強いものもあります。

抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、保湿剤、外用ステロイド剤等、従来の治療法では効果が不十分な場合は、オピオイドカッパ(κ)受容体作動薬(レミッチなど)という透析患者に処方される新薬もあります。

 

体験談

透析導入前は、抗ヒスタミン剤の塗り薬レスタミンコーワクリームを愛用していました。足のひざ下が痒くて、かいたらさらに痒くなる悪循環でした。痒さ低減のために早めに透析導入したくらいです。

透析導入中は枕が変わったためか頭や全身が痒かったです。結構神経質なんです。それで、オピオイドカッパ(κ)受容体作動薬のレミッチを処方されました。痒みがマシになったような、変わらないような、微妙な感じでした。今もそうなんですが、痒みって意識しないとそんなに痒くない。意識したり、ちょっとした刺激で痒くなる。かいたら、さらに痒くなる。厄介な奴です。

維持透析に移ってからは、普段は保湿のためにヒルドイドローションを塗っています。透析直後は、テープ跡が痒いので、冷えた止痒水(しようすい;液状フェノール と無水エタノールとメントールとグリセリンが入った水溶液で塗ったらスッとします)をカーゼに垂らしてヒタヒタと腕に塗っています。それでも痒いときは帰宅したら抗ヒスタミン剤の塗り薬レスタミンコーワクリームを塗っています。「塗ったら治る」と意識に刷り込まれているので、痒みは止まります。

1年前ぐらいからクリニックの透析用コンソールの入れ替えがあって、オンラインHDF対応になりました。すぐさま「オンラインでお願いします」と懇願して、オンラインHDF導入になりました。それで痒みがずいぶんマシになり、二か月前からレミッチを卒業しました。レミッチって薬価が高いんですよね(1340.9円/錠)。難病の医療費助成制度で実費はゼロなんですが、公費は節約しないといけませんよね。

 

ということで、今回は透析患者の痒みについて記事にさせていただきました。食事制限や軟膏を塗るなどの自己管理で、結構改善されると思います。おすすめはオンラインHDFの導入です。痒みだけではなくて、いろんな利点があるのでクリニックが対応していたら積極的に導入をお願いしてはいかがでしょうか。オンラインHDFについても、そのうち記事にできたらと思います。

 

ではでは。 

 

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