中年もっくんの投資と闘病の話

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【透析】オンラインHDFのススメ

こんにちは、中年もっくんです。

 

久しぶりに透析ネタです。

 

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血液透析とは

普通の人には馴染みのない血液透析、でも聞いたことはあると思います。

腎臓は余分な水分や毒素を除去して体内を浄化する役割を持っています。しかし、腎臓の働きが悪くなると、この浄化が充分に行えず、体内に老廃物が蓄積してきます。これにより尿の異常、部分的なむくみ、高血圧になることがあります。腎不全というやつですね。腎不全の原因疾病は、第一位は糖尿病、第二位は慢性糸球体腎炎、第三位は腎硬化症、そして第四位に多発性嚢胞腎。自分は多発性嚢胞腎が原因疾病で、50歳から透析療法のお世話になっています。

腎不全の治療法として、血液透析療法(治療というより延命)と腎臓移植がありますが、日本では移植は少なく(何十年も献腎移植の順番待ち)、多くの人は透析療法のお世話になっています。

血液透析は「Hemodialysis」を略して「HD」とも呼ばれます。血液透析では、 血液を体内から外部へと出して機械を通して血液をきれいにし、再び体内に循環させます。機械の中で(ダイアライザーと呼ばれるフィルターみたいなものの中で)毒素を含んだ血液は透析液に接触し、拡散という現象を利用し、毒素は透析液の方にゆっくり移動していきます。これで血液が浄化されます。

ダイアライザーにはストロー状の中空糸が8000~20000本束ねられて入っており、中空糸の中を血液が通過し、外側を透析液が逆方向から通過することによって拡散と限外濾過が行われます。この中空糸は直径は約200μm(約0.2mm)、厚みは約15~45μm(約0.015~0.045mm)で、直径50~150オングストローム(1オングストローム=10のマイナス10乗メートル)という非常に小さな穴が無数に存在します。その穴を経由して毒素が透析液の方に移動します。

 

オンラインHDFとは

一般的な血液透析(HD: Hemodialysis)は、上記の通り拡散を利用して、ゆっくり、じわーっと毒素が透析液に移動します。この時、ダイアライザーの穴がとても小さいので、低中分子蛋白といわれる物質は小さな穴を通りにくく、比較的に除去が難しいです。

オンラインHDF(Hemo Dialysis Filtration:血液濾過透析)では、 血液に透析液を加え、圧力をかけて、ぎゅーっと毒素を押し出します(前希釈法)。 血液透析では除水と呼ばれる行為が行われますが、補液を行い、積極的な除水を行う感じです。ぎゅーっと押し出すので、比較的に大きな毒素を除去することができます。

比較的に大きな毒素の中にβ2-ミクログロブリンという物質があります。これは関節や骨に沈着して神経を圧迫し、手の親指から中指にかけて痛みやしびれが出現する手根管症候群などを起こし、ひどくなると手術が必要になってきます。透析を長期続けると起こってくる合併症のアミロイドーシスというやつです。オンラインHDFではβ2-ミクログロブリンを積極的に除去することで、このような合併症を予防することができます。

その他にもオンラインHDFの長所がいくつか報告されています。

・透析中の血圧低下を防止する
・むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)を軽減する
・かゆみを低減する
・食欲の改善

血液に加えられる透析液は厳重な水質管理をしていなければなりません。通常透析液は細菌の成分であるエンドトキシンという物質で汚染されています。しかし、オンラインHDFを行うためには、細菌やエンドトキシンを測定感度以下になるまで清浄化させなくてはなりません。そのような設備が必要なため、残念ながらオンラインHDFに対応したクリニックは多くはありません。今後は増えると思いますが。 

オンラインHDFに対応しているクリニックは、それをウリにしているので、クリニックのホームページを確認すると、対応しているかわかる場合もあります。

 

オンラインHDFに代わってから

自分の場合は、最初は通常の血液透析(HD)でした。途中からコンソール(透析装置)が一斉に更新され、オンラインHDFに対応できるようになったので、すぐに導入をお願いしました。

HDの時代は、痒みに悩まされ、レミッチという薬を飲んでいました。オンラインHDFに代わってから三か月ぐらいでレミッチを卒業しました。

あと、脚が何となくだるい感じがありましたが、オンラインHDFになってから、だるさが軽減したような気がします。

その他には変わったことはないのですが、きっと10年、20年後の状態がずいぶん違うはずです。

 

今回はオンラインHDFという種類の透析の話でした。HDFの普及率は2016年末の統計調査では24.4%だそうです。透析患者の中にはHDFが必要なのに、それ自体を知らない患者さんも多いと思います。 より良い医療を受けるためには患者自身の勉強も必要です。

 

ではでは。

 

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